看護師にとって夜勤がきつい、しんどいというのは、働き続けていくうえでの大きな問題です。
とくに新卒で入職して夜勤をするようになると、まずほとんどの看護師がいやになるでしょう。人数が少ないせいで休憩できないほど忙しく、先輩看護師に聞きたいけど聞ける状況じゃない。結局、1人で対処していくことになるとインシデントへの恐怖、緊張感につぶされそうになります。
夜勤が体力的にムリだと感じるのは、看護師の経験が長い人でも同じです。「何年経っても体は慣れない」という声もあります。体力的に自分には向いていないと判断するなら、夜勤のない看護職に転向するしか解決策はありません。
もくじ
夜勤がきつい、しんどい
夜勤がきつい
看護師辞めたい。仕事、辛いです。夜勤、キツいです。給料はいいけど、辛いです。キツい人だっています。でも悪い人はいない職場。先輩方は、いい職場だって言ってる。けど、私にはこの仕事が職場がどうも合わないみたいです。
夜勤がきついというのは、看護師なら誰でも感じたことがあることです。先輩や同期などと話してみることで、気晴らしになったり、何かいい工夫が見つかるかもしれません。
給料はいい。職場に悪い人はいない。先輩方も「いい職場」と言っているのは、いままでの経験や他の病院で働く看護師の話などを聞いて、本当にそう感じているから「いい職場」と言うのでしょう。
このケースは、ちょっともったいない気がします。給料が良くて職場に悪い人はいないというのは、私の経験でもかなり恵まれているほうです。夜勤がきついのはわかりますが、どこで折り合いをつけるかが答えになります。
看護師が職場を辞めた理由でもっとも多いのは、職場の人との関係性が良くないというものです。もし職場の人との関係性に悩んでいないなら、夜勤がきつい時期をなんとか乗り越えて働き続けるほうが望ましいでしょう。
夜勤がしんどい
看護師で病棟勤務、夜勤もしてます。忙しい病棟のうえ人員不足、入職してもなかなか続く人はいない状況。毎日仕事が終わったら風呂はいって洗濯して寝るだけです。どこへ行っても同じだろうか?ほかへ行く勇気も気力もなく、ほんとにしんどい仕事です。
病棟の夜勤はほんとにしんどいものです。病棟で人員不足の状況だと、夜勤での受け持ちも多くなるはずです。看護師1人で患者20人を看たりするようなケースも聞きます。
看護師1人の受け持ちが多すぎる病棟は、インシデントに対する緊張感も高くなります。夜勤がしんどいのは、忙しさそのものというより、緊張感や責任感といった精神的なものが大きいと思います。
かと言って、人員を増やしてもらうことはできません。もし、師長に相談できるなら次の2つになるでしょう。
- 夜勤の回数を減らす。
- 受け持ちを減らす。
なかなか続く人がいない職場は、早々に辞める決断をした人の方が真面かもしれません。環境のよい病院・施設とめぐり合って、今ごろ幸せに働いているでしょう。
「どこへ行っても同じだろうか?」という疑問は、医療系の求人サイトを見てみると、同じではないことがわかります。
夜勤に体が慣れない
「夜勤、何年経っても体が慣れない」と入職したてのころ、婦長(今は師長ですね)に言われました。それから結婚するまで数年、3交代をやりましたけど、年々体力の衰えと共にきつく感じるようになりました。師長の言葉は本当でした。自然に逆らって夜起きて働くというのは何年経っても慣れはしませんでした。これでは家庭と仕事の両立ができないと考え、思い切って夜勤のない職場へ再就職しました。実感したことは、夜勤がないと非常に楽ということ。夜勤をやめたら体調がすごくよくなりました。
当時の婦長のが言っていた「体が慣れない」という言葉を、夜勤を数年やってみて実感したようです。生活リズムの崩れが身体に及ぼす影響は大きいです。
夜勤明けのダメージには、いまだに慣れません。しかも20代のときより回復に時間がかかって疲労が残るようになった気がします。
夜勤がきつい、しんどいと感じる原因が、自分の体力的なところにあると判断できるなら、もう答えはわかっていることです。体が慣れることはないからです。
医療系の求人サイトを見てみると、日勤だけの仕事はたくさんあります。看護師の仕事は病棟だけではないし、病棟にこだわる必要もありません。
夜勤が嫌すぎてやりたくない場合
出典:日本看護協会
看護師で「夜勤が嫌すぎる」と感じる人がいるのは、勤務時間が長すぎることも要因となっています。看護職の夜勤体制の半数は二交代制(夜勤帯16時間以上)であることが報告されています。
16時間以上の勤務というのがいかに異常であるかを、医療業界は問題視して改善に着手するべきです。
たとえば製造業界では、製造品質を維持するために従業員にこれほどの長時間勤務をさせることは絶対にあり得ません。従業員のパフォーマンスを正常レベルに保つために8時間労働を遵守しようと努力しています。
しかし医療業界では、人命を預かっている看護師に、夜勤帯で16時間もの長時間勤務をさせながら看護の「品質」を維持しようとしているわけです。この状況は異常であり、危機意識が欠如しています。
看護師1人で10~15床も任され、仮眠や休憩は実際には取れないことが多く、超過勤務が当たり前の状態で人命を預かることがいかに危険なことか。夜勤帯の責任の重さに耐えられない、ミスを起こさない自信がない。と考えて「夜勤が嫌すぎる」と感じる看護師は、むしろ危機管理能力が高いと言えるでしょう。
夜勤をやりたくないなら
入職した病院・施設が、看護師に過酷な夜勤体制を強いているなら、夜勤をしたくないという気持ちになるのは当たり前のことです。
とくに新卒で入職して夜勤がはじまると、多忙のなかで先輩に聞ける雰囲気もなく、結局1人で対応しなければならない緊張感のなかで、絶対にインシデントを起こさずに勤務していく自信など持てないものです。
夜勤をしたくないという気持ちは、決してあまえではありません。強い責任感の表れであり、あらかじめ事故を防ぎたいという危機意識でもあります。
「病棟で働いてこそ看護師」という意識に縛られている人もいるかもしれません。でも夜勤をやりたくないのなら、夜勤のない職場に移るしか看護師を続けていく方法はありません。
夜勤のせいで仕事辞めたい
出典:マイナビ転職
看護師を辞めた人へのアンケート調査では、夜勤を理由にした人が14%となっています。「体力的負担が大きい」という理由です。
夜勤の忙しさや緊張感には慣れていくものです。でも、体は慣れることはなく、夜勤明けのダメージは年齢とともに大きくなります。さらに完全に回復したと感じることが無くなっていき、疲労がたまっていくようになると、もう夜勤をつづけることは難しいでしょう。
看護師が夜勤のせいで仕事を辞めたい場合、選択肢は2つあります。
- 夜勤のない看護職に転職する
- 一般的な職業に転職する
夜勤のない看護職に転職する
夜勤のない看護職は、求人サイトを見てみるとじつは結構あることがわかります。(求人サイトは、病院・施設の職場環境や労働条件が見やすく集約されているので情報収集に使いやすいです。)
外来のみ、有床ではないクリニック全般、訪問看護など、日勤だけの看護師として働ける場所はたくさんあります。
一般的な職業に転職する
ほかにやってみたい仕事がある場合は、看護師の仕事を辞めることも選択肢になります。一般の転職サイトを使って仕事を探すことになります。
事務職や営業職は未経験者でも受け入れやすい職種です。一般職はほとんどの場合にパソコンのスキルが必要なので、普段から使うように意識しておくと就職後に困らないでしょう。
看護師は復職しやすい資格として優れています。もし、一般職に挑戦してダメでも、また看護職に戻ってくることは全然可能です。ほんとはやってみたい仕事がある場合は、一度、挑戦してみても良いかもしれません。
夜勤に向いてないと思ったら
- 体力的にムリ → 夜勤のない看護職に転職する。体が慣れることはない。
- 精神的にムリ → 頑張って続けていく。夜勤の緊張感、責任感には慣れていく。
看護師だけど自分は夜勤に向いてないと感じたら、夜勤のない看護職に転職するのが解決策になります。実際、病棟の夜勤が向いていないと判断して、夜勤のないクリニックなどに転職する看護師はたくさんいます。
とくに体力的にムリだと感じるなら、医療系の求人サイトを見てみると良いです。在職中でも、もちろん利用できるので、ほかの病院・施設で夜勤がない職場がどんな労働条件なのかを知っておくと判断材料にできます。
まとめ
- 夜勤がきついというのは、看護師なら誰でも感じたことがあること。先輩や同期などと話してみることで、気晴らしになったり、何かいい工夫が見つかる。
- 職場の人との関係性に悩んでいないなら、夜勤がきつい時期をなんとか乗り越えて働き続けるほうが望ましい。
- なかなか続く人がいない職場は、早々に辞める決断をした人の方が真面。
- 夜勤をしたくないという気持ちは、決してあまえではない。強い責任感の表れであり、あらかじめ事故を防ぎたいという危機意識。
- 夜勤の忙しさや緊張感には慣れていくもの。でも、体は慣れることはなく、夜勤明けのダメージは年齢とともに大きくなる。
- 看護師だけど自分は夜勤に向いてないと感じたら、夜勤のない看護職に転職するのが解決策。
- 体力的にムリだと感じるなら、医療系の求人サイトを見てみると良い。在職中でも、もちろん利用できるので、ほかの病院・施設で夜勤がない職場がどんな労働条件なのかを知っておくと判断材料にできる。