期待に胸ふくらませて入職したのに、プリセプターと合わないせいで仕事がつまらなくなる新人看護師もたくさんいます。
合わないと感じる原因は、新人看護師がプリセプターに優しさや親しみやすさを期待していることにもあります。わからないことを聞けば、優しく教えてもらえると思い込んでしまっているのかもしれません。
しかし、ある程度の厳しい指導を覚悟していたとしても、プリセプター側が指導に慣れていなかったり、性格的にいじわるだったりすると、指導の範囲を超えて新人看護師を苦しめてしまいます。
プリセプターシップは1対1で長い期間を向き合うだけに、合わないと感じながら続けていくのは大変な苦痛になります。仕事にやりにくさを感じるくらい合わないなら、職場のプリセプターシップに問題があります。
プリセプターと合わない
新人看護師です。働いて4か月、5か月目突入というところになります。しかし、プリセプターさんとどうしても合わず、自分の中に気持ちを貯めこんだ結果、糸が切れてしまい今日、師長さんに辞めたいと伝え泣きついてしまいました。プリセプターさんと合わないと書きましたが、喧嘩や口論になるわけでないです。怒鳴られてるわけでないのですが「どうしてできないの?〇〇さんはこんなこともしてるよ?何か月目?1度習ったことは聞いちゃダメ。自分で確認して。」などとほぼ毎日言われ続け、自分で自分を追いつめてしまったようです。
新人看護師です。働いてから3ヶ月が経ちました。私は理解力がなくて不器用でマイペースです。プリセプターとなってくれてる先輩は私と真逆のタイプなので、馬が合いません。看護技術を一度教えてもらった後、次上手くできないと勉強不足だとかメモとらないからだとか、色々と責められます。しかし私は一度見学しただけで次できるほど器用じゃないです。メモ取ったり勉強しているのですが、なかなかできません。
プリセプターと合わないと感じる新人は多く、ネットでも悩みをチラホラ見かけます。
「1度習ったことは聞いちゃダメ。」というのは、ちょっと厳しすぎる気がします。むしろ「分からなければ何度でも聞いてね。」と言ってあげないと、聞くに聞けなくなった新人が自信の無いまま行動してインシデントやアクシデントを起こす可能性も出てきてしまいます。
テキパキと要領よく動いてなんでもできるプリセプターを見ていると、なかなか覚えられなくて上手くできない自分と正反対のタイプに見えるかもしれません。
では、プリセプターが新人の自分と同じように理解力が無くて不器用でマイペースなら、親しみやすくて自分に合っていると言えるのか。そんなプリセプターが新人を指導できるわけないです。
一度やり方を見せてもらって、それを次に完璧にできる人などいません。それは新人にかぎらず、誰もができないことです。完璧に見えるプリセプターと「自分は合わない」と言ってしまえば、それまでになってしまいます。
プリセプターの期待に合わせる
- 現場でのメモを、ノートに整理する。
- ノートをプリセプターに見てもらって、さらに指導してもらう。
- 理解できていない部分や自信がない部分を明確にして、質問する。
プリセプターと合わないと感じるのは、プリセプターの期待に合っていないことが原因です。プリセプターは、やって見せたことを一度で完璧に覚えることを期待していません。
どのくらい理解できたのかを知りたくて、分からなかったことを質問して欲しいのです。
プリセプターがなんで新人を責めたりするのかというと、指導の成果を感じられないからです。だから、本当にメモを取っているのかな。ポイントをまとめているのかな。手順を復習しているのかな。と感じています。
そのため、ノートを見てもらったり質問したりして、成長を感じてもらうことが大切です。それがプリセプターの期待に合わせることになります。
プリセプターも、自分の指導で大丈夫なのか…不安を感じています。
合わないのは当たり前
- なめられないように緊張感のある雰囲気を作っている。
- 精神的なタフさが身に付くように、鬼の心で接している。
- 新人のミスは自分のミスになるため、厳しくせざるを得ない。
プリセプターは、新人を指導・教育する立場です。仲良くなる必要はないので、プリセプティが「合わない」と感じるのは当たり前のことでしょう。ただ、他の病棟の新人が、プリセプターと楽しそうに仕事をしているのを見かけたりすると、「なぜ私とプリセプターはこんなに合わないんだろう」と思うかもしれません。
プリセプターとの接し方は病棟によってちがってきます。ICUなどの人命に直接かかわる病棟では、ほかの病棟よりも厳しい指導になるのは仕方ないことです。
新人が配属された職場が恐れているのは、新人がアクシデントを起こすことです。師長は、新人に厳しく指導できる看護師をプリセプターに選ぶし、プリセプターは新人が気を緩めることが無いように緊張感のある雰囲気をもって接するしかありません。
つまり、プリセプターとプリセプティは、仲の良い先輩と後輩という関係ではいられないわけです。合わないと感じるのは当たり前なのです。
プリセプターと合わない場合
- プリセプターに歩み寄る努力はする
- ほかの先輩や師長に相談する
- 転職を視野に入れておく
プリセプターと合わないと感じているときは、まずプリセプターに歩み寄るところからはじめます。苦手な人に歩み寄るのはしんどいかもしれませんが、1対1のプリセプターシップなので当事者同士が歩み寄る努力をするのが何よりも先です。
プリセプターに歩み寄る
どうせ今のままでも変化はないのだから、どんどん報告して、どんどん質問して、近づく機会をわざと増やすのが良いです。何か教えてもらったらハキハキと「ありがとうございます!」とかならず感謝を伝えるようにします。
プリセプターと合わないと感じて、声をかけなくなるのが一番ダメな付き合い方です。プリセプターは指導の立場のために緊張感を作っているし、友達じゃないんだから合わないのが当たり前。
声をかけにくい雰囲気でも、それを突き破る元気と笑顔でプリセプターにどんどん近づく勇気を持つことが大事です。
先輩や師長に相談する
もう、じゅうぶんプリセプターには自分から歩み寄る努力をしたし、それでも合わないのが苦痛に感じるなら、当事者だけで解決するのは難しい状況です。
ほかの先輩との関係性が良好なら、先輩に相談してみるのが良いでしょう。そのとき、プリセプターの立場が不利にならないような話し方をするように気を付けるべきです。「プリセプターに感謝している」という前提で相談をすると、先輩からプリセプターに伝わるかもしれません。
師長に「プリセプターを違う人にしてください。」というお願いはできないし、口にすべきではありません。それは師長の判断することであり、プリセプターの顔をつぶすことになります。
新人のくせに何様なの!?と怒られるはずです。
転職を視野に入れておく
プリセプターが厳しすぎて、精神的に苦しんでいる場合は、職場を変えることを視野に入れておくほうが良いでしょう。新人がプリセプターと合わないことで悩むケースは多く、それが原因で退職することもプリセプターシップの問題になっています。
すぐに転職に向けて動く必要はなく、いつでも転職できる準備しておくだけでも気持ちが楽になります。
うまくいかないのはお互様
プリセプターとうまくいかないと感じるときは…
- プリセプターの先輩も「プリセプティとうまくいかない」と感じている。
- 元気と笑顔を忘れず、プリセプターに接する。
- プリセプターは、上長とプリセプティの板挟みになっていることを知る。
新卒で入職したとき、師長さんからこんな話をされました。「あなたたちには何も期待していません。今日から現場に出ますが、何もできない自分に苦しむと思います。でも、先輩たちにはない元気と笑顔を忘れないようにしてください。」
元気と笑顔を武器にできるのは新人だけです。今のうちはプリセプターと合わないと感じても、元気と笑顔で乗り切るしかないのです。
ただ、プリセプターとの関係性に悩んで、体調を崩してしまったり、仕事に行くことができなくなるほどなら、我慢するべきではありません。同僚でも先輩でもよいので、話を聞いてくれる人に相談したほうが良いでしょう。
医療の現場は「人」で成り立っているため、すごく心が疲れます。自分もプリセプターに気を遣って疲れますが、プリセプターも新人と上長の板挟みになって疲れているでしょう。
プリセプターが新任の場合は、プリセプター自身も困惑しながら指導にあたっています。合わないかもしれませんが、同じ新人・新任として一緒に頑張っていこうと思えれば、乗り切っていく元気が出てくるかもしれません。
新任プリセプターもプレッシャーすごいものです。
まとめ
- プリセプターと合わないと感じるのは、プリセプターの期待に合っていないことが原因。
- プリセプターがなんで新人を責めたりするのかというと、指導の成果を感じられないから。
- プリセプターは、新人を指導・教育する立場。仲良くなる必要はないので、プリセプティが「合わない」と感じるのは当たり前のこと。
- プリセプターと合わないと感じているときは、まずプリセプターに歩み寄るところからはじめる。
- プリセプターと合わないと感じて、声をかけなくなるのが一番ダメな付き合い方。
- ほかの先輩との関係性が良好なら、先輩に相談してみるのが良い。
- スカウト機能付きの求人サイトを利用する方法なら、プロフィールを置いておけば、そのプロフィールを見た病院・施設のほうから声をかけてくれる。待っているだけの転職活動ができるので気分的に楽になる。
- プリセプターと合わないと感じても、元気と笑顔で乗り切るしかない。