看護師で命に関わらない仕事【病棟よりも精神的負担が軽い】

病棟で働く看護師なら、患者の命をあずかる責任やプレッシャーのせいで精神的にキツさを感じることがあります。

とくに入職して1年目。インシデントで自信をなくしたり、夜勤のプレッシャーにつぶされそうになった経験をすると、「自分は、命に関わらない仕事のほうが向いているのでは…」と考えるものです。

この記事では、看護師でありながら命に関わらない仕事について解説します。それぞれの仕事について『働きやすさ』をグラフで表しています。

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看護師で命に関わらない仕事

仕事	平均的な年収目安
一般的な看護師	480万円
クリニック/診療所	400万円
健診センター	400万円
献血	350万円
訪問看護	400万円
デイサービス	400万円
美容クリニック	500万円
保育園/幼稚園	350万円
企業看護師	450万円

看護師で命に関わらない仕事は、一般的な看護師よりも年収が低くなりがちです。夜勤が無く、看護スキルの要求も低いためです。

給与が下がるが、自分の時間を確保しやすい。という利点を受け入れることができるかどうかが判断の分かれ目になるでしょう。

クリニックの眼科・皮膚科・精神科・心療内科・耳鼻咽喉科は、ほとんどが病床を持たない診療所であるため、命に関わらないで働ける環境です。

これらのクリニックは、日勤のみで定休ありのところがほとんどです。夜勤がないため、病棟の経験がある人なら精神的な負担が軽いと感じるでしょう。そのぶん、給与は病棟勤務より下がります。

※名前が『クリニック』であっても、内科・外科・産科・小児科・透析科などの病床を備えている施設では、手術や入院患者を看護する必要が出てきます。命に関わらない仕事に就きたいなら避けたほうが良いでしょう。

医院の人柄が職場の雰囲気にそのまま影響しています。やさしい院長なら和やかな職場になります。性格のキツい院長なら、ギクシャクした職場になりがち。

就職先をクリニックで考えている場合は、紹介型転職サイトを頼るのが良策です。アドバイザーから、そのクリニックの評判や内情を教えてもらいながら、慎重に判断したほうが転職成功につながります。

健診センターに所属して、健康診断や人間ドックを部分的に担当するかたちの業務になります。健診センターは全国の都市部に多くあります。

看護師としての業務は、バイタルチェックや採血、各検査の介助など。健康な人が受診者であるため、命に関わらない仕事内容です。

身体測定、採血、視聴覚検査、内視鏡、心電図など各検査の手順を一つ一つ覚えて、いずれ健診の一連の流れを身につけていくことになります。

流れ作業で次から次へと受診者に対応するので、コミュニケーションスキルはあまり必要ありません。精神的な負担はとても軽いです。

平日と土曜の日勤交代制のところが多いです。給与は一般的な看護師よりも低くなる傾向があります。

献血は日本赤十字社が独占しておこなっており、街中の献血センターや献血バスで働く場合は日本赤十字社に所属することになります。

おもな業務は献血であり、まったく命に関わらない仕事です。献血で貧血を起こす人がいるため、そのときは看護にあたります。

献血の穿刺せんしは点滴と同様で、針ゲージがちょっと太いくらい。初心者のうちはプリセプターシップで先輩から指導してもらえるのも働きやすさを感じる点でしょう。

流れ作業で献血を繰り返すルーチンワークです。献血バスの場合は会場までのバス移動が定時を過ぎれば残業に入ります。

献血の仕事は、はじめは契約社員や派遣社員です。時給は2,000円程度なので、一般職の派遣よりも高額の給与を期待できます。日本赤十字社が正社員登用に積極的なので、命に関わらない仕事で医療に携わっていきたい人は、看護師専門の求人サイトで募集を見てみると良いでしょう。

訪問看護は、おもに自宅で看護・介護が必要な人の自宅に訪問して看護業務をする仕事です。

業務は基本的には医師の指示書にしたがって、バイタルチェックや与薬、清拭、床ずれ処置などをおこなうくらいなので、患者の命に関わるような看護はありません。

デイサービスは、送迎で来所した利用者の介護をする施設です。営業上、看護師を配置する必要があるため、看護師が募集されています。

利用者は要介護認定されているものの、夜には自宅に帰宅できる健康状態なので、命に関わることはほとんどありません。

美容外科は外科手術をおこなうため、看護師には手術介助の業務があります。そのため、外科病棟や手術室での勤務経験は歓迎されます。術後管理の経験があれば、施術後のアセスメントも任せてもらえるでしょう。

一方、美容皮膚科ではレーザー施術や脱毛を看護師がおこなっており、業務上の責任が増えます。レーザー照射などの機器類について使い方を覚えていく必要があります。

命に関わらない仕事ですが、他者の美容に対する責任が重くのしかかっている仕事です。そのぶん、給与には高く反映されるわけです。

美容クリニックでは、カウンセリングや術後アセスメントなど、利用者とのコミュニケーションが仕事とも言えます。

美意識の高い利用者への対応力（接客）は、一般よりも高いスキルが必要になります。そして、自分の美意識も高く持つように心掛ける必要があります。

自分の美容についても割引料金で施術できたり、販売している美容品を安く購入できるのはお得です。(販売実績にインセンティブを設けているところもあります。）

美容クリニックの募集は、求人サイトに多く掲載されています。看護師専門の求人サイトを見てみると、美容クリニックの給与の高さに惹かれるかもしれません。

保育園・幼稚園の保健室で勤務して、おもな業務は子供と職員の健康管理・体調管理になります。子供のケガや発作への応急処置もよくあります。大きなケガや高熱、けいれんなどの発作は、救急で対応してもらうことになります。

保育士や幼稚園教諭の目が届くなかで子供も遊んでいるため、命に関わるようなケガはほとんど無いと言って良いでしょう。（ただ、たまに残念なニュースも見かけます。）

基本的には単独で勤務するため、看護師としての経験と判断力は求められます。預かっている子供の安全を考えても、保育園・幼稚園側がそれなりの看護経験を欲しがるようです。

乳幼児を預かる保育園では、授乳や離乳食の介助、沐浴も業務に含まれます。子供とふれあいながら、ちいさな異常に気付ける注意力も必要です。

幼稚園は土日休みですが、保育園の場合はシフトで土曜日の勤務があります。行事の時期は、医務体制について対策と対応を求められます。

ほとんどが派遣またはパートで募集されています。常勤の募集もたまに見かけますが、応募が殺到してしまう状況です。

学校の保健室も命に関わらない職場です。看護師免許とあわせて保健師を持っていると採用されやすいでしょう。求人サイトでよく募集されているので、子供が好きな人なら看護師の求人サイトを見てみると自宅近くの求人が見つかるかもしれません。

一般的には「産業看護師」と呼ばれます。看護師というよりも、企業の一員として社員の体調や健康を管理する仕事です。メンタルの対応も求められるため、心理系の資格をあわせ持つ産業看護師もいます。

社員の体調不良やメンタルケアがおもな業務であり、看護師らしい業務はほぼありません。相談に応じていることが多いです。命に関わらない働き方です。

健康診断の時期や避難訓練のときに業務がやや忙しくなるくらいで、ふだんは精神的にも体力的にも負担が軽い仕事と言えます。

勤務先は比較的大きな企業であり、労務管理がしっかりしている会社だからこそ看護師を置くくらいなので、残業や休日出勤はありません。

好条件のため正社員での求人募集は少ないです。辞める人が少ないということです。そのため、契約社員や派遣社員で勤務する人が多いです。

産業（企業）看護師の仕事は、単独の時間が多い仕事としてこちらの記事でも解説しています。

命に関わらない仕事のメリット・デメリット

看護師でありながら命に関わらない仕事のメリットは、その責任・プレッシャーから解放された働き方ができるところにあります。

医療・看護スキルの要求は低く、基本的な看護技術でおこなえる業務です。そのぶん、給与は低くなりますが、夜勤がないというところを含めて折り合いをつけることになります。

契約社員や派遣社員での求人募集が多いです。命に関わらない仕事を求めるなら、一度、看護師専門の求人サイトを見てみると働き方の選択肢がいろいろと見えてくるはずです。

命に関わらない仕事に就く方法

1. 自分がどんな場面で責任・プレッシャーを感じているのかを明確にする。（インシデントへの怖おそれなのか。夜勤がキツいのか。）
2. 求人サイトを見て、看護師としてできる仕事にはどんな仕事があるのかを把握する。
3. 転職活動する時間を作れないなら、紹介型転職サイトを利用する方法、または求人サイトのスカウト機能を活用する方法で探す。

なぜ、命に関わらない仕事に就きたいと思ったのか。その要因を突き止めなければなりません。

• 業務責任：インシデントを繰り返すことへの怖れ。自信を失なくした。
• 勤務体制：少人数の夜勤に強いプレッシャーを感じる。急変が怖い。
• 職場環境：先輩やプリセプターに聞きづらい環境。ミスを起こしそう。

「命に関わらない仕事」のうち、どれが自分の望んでいる働き方になるのか。慎重に選んでいくことになります。

病棟勤務とはまったく違う働き方になり、だいたいは夜勤がないので給与が下がります。そこに納得できるかどうかをよく考えなければなりません。

転職が頭をよぎった時点で一度、看護師専門の求人サイトを見てみるとよいでしょう。看護師の経験を活かせるいろいろな仕事があることを知ると、生き方の選択肢が広がります。

まとめ

• 看護師でありながら命に関わらない仕事のメリットは、その責任・プレッシャーから解放された働き方ができるところにある。
• 看護師で命に関わらない仕事は、一般的な看護師よりも年収が低くなりがち。
• 給与が下がるが、自分の時間を確保しやすい。という利点を受け入れることができるかどうかが判断の分かれ目になる。
• なぜ、命に関わらない仕事に就きたいと思ったのか。その要因を突き止めて、どの仕事なら自分の望むような「命に関わらない仕事」にふさわしいのかを選んでいく。
• 実際に、命に関わらない仕事に就いて、快適に働いている看護師もたくさんいる。
• 転職活動する時間を作れないなら、紹介型転職サイトを利用する方法、または求人サイトのスカウト機能を活用する方法で探す。